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かなしいことだけ集めたい

鹿児島帝国で生存中

読書会レポート『対岸の彼女』

角田光代さんが来年1月に鹿児島にやってくる!



http://tsubamebunko.chesuto.jp/e1418653.html

ということで、その予習を兼ねて開催されている連続読書会、通称「角田光代マラソン」に参加してきました。
さて、今回の企画、実はぼくもちょこっとお手伝いしているのですが、あまり戦力になっていないので、とりあえず読書会のレポートでも書いておこうかなと思います。



角田光代マラソン」レポート:課題本『対岸の彼女

対岸の彼女 (文春文庫)

対岸の彼女 (文春文庫)

 

 
第1回の課題本は『対岸の彼女』。直木賞にも選ばれた角田さんの代表作です。
参加された方の感想・解釈を覚えている限りでざっと箇条書きしてみると



・1章ごとに現在と過去が入れ替わる構成に引っ張られて、6時間かけて一気読みしてしまった

・逆に時間軸が入れ替わる構成が分かりづらかったので、自分なりの章題をつけて読んだらうまく理解できた(それってもはやプロット分析では!すごい!!)

・構成が『1Q84』っぽい

・固有名詞(オザケン、ナイアガラ、サザビー)などから80年代前半の空気感が伝わってきた

・小夜子が、葵の温泉に泊まっていこうという誘いを断るシーンにゾッとした。同時に2人のやりとりに淫靡な気配を感じ、その場面だけが雰囲気が違うように思えた

・上述の感想に対して、葵の過剰反応(レズだと思われたくないから?)が逆に性的なニュアンスになっているのでは?という指摘

・子供を作ることによって守られている部分がある

・女性間の立場の違いによるディスコミュニケーションというテーマに「少女時代」(少女小説?)を接続したところに新しさがあるのでは

・こんな社長イヤだよね

・夫は(主に舅から)守ってくれない

・ビルから飛び降りることで擬似的な死を体験した葵は結果的にイジメから抜け出すことができたのでは(スクールカーストの対岸への飛躍?)

・葵と魚子が再開する部分はちょっと出来過ぎではないか?

・「そんなとこのあたしの大切なものはない」という魚子の言葉が、この小説の核なのではないか?

・(角田作品に共通して)女性の感じている空虚さを巧みに描いている

・未来に希望の持てるエンディングでよかったと思う

といった感じでしょうか。
(個人的な感想・解釈は抜いてあるので、そちらはまた気が向いたら書きたいと思います~。)

参加者の属性と関連させてみると、ぼくを含めた男性がおもに過去パートに惹かれて「泣けた」など感傷的な感想を抱きがちなのに対して、女性の参加者からは「それは少女に幻想をいだいているからでは?」というようなツッコミが入りました。

一方で女性はどちらかというと現在パートでの、嫁/姑、母/娘、主婦/キャリアウーマンといった女性の関係性の描き方への関心が高かったようです。

今回の読書会では男女間で、作品の「甘5」な部分に惹かれるか、「辛5」な部分に惹かれるかが割とキレイに別れたなという印象でした。